トレードでリスクリワードレシオが重要と聞くけど
実践でどのように意識すればいいのかわからない。
このような人のために、リスクリワードレシオの実践的な使い方を紹介いたします。
リスクリワードレシオを意識したトレードをすることで、トレード成績が大きく変わります。
既に検証済みで、利益を上げられなかった手法にこの考えを応用することで、勝てる手法に変身する可能性すらあります。
今回の説明はトレンドフォローのトレードに適用すると効果的です。
また、トレードで利益が上がる仕組みを知ることで、負けトレードも冷静にこなして、トータルで勝つ思考が身に付きます。
それくらい重要なリスクリワードレシオの実践的な使い方を覚えて、トレードをより良いものにしていきましょう。
Contents
リスクリワードレシオとは?
日本語で言うと”損益比”です。
計算式で言うと、
リスクリワードレシオ=平均利益÷平均損失
つまり、損失に対してどれくらい大きな利益をとるかという指標になります。
例えば、平均利益120円、平均損失100円のトレードのリスクリワードレシオは1.2です。
つまり、平均損失に対して1.2倍の平均利益が取れるトレード手法だと言えます。
リスクリワードレシオの詳細説明は以下の記事を参考にしてください。
リスクリワードレシオを意識し、損切が大きい場所のエントリーを見逃す
個々のトレードでもリスクリワードレシオを意識してトレードすることは非常に重要です。
これを意識できるか否かが、トレードの成績を大きく左右します。
実践でどのようにリスクリワードレシオを意識するかというと、損切が大きい場所のエントリーを見逃すのです。
より具体的に言うと、利益の幅より損切の幅が大きい場合はエントリーを見送ります。
この見送りの効果を説明するために、まずは、トレンドラインブレイクを使ったトレンドフォロートレードの利益の出る仕組みについて解説します。
トレンドフォロートレードの利益の出る仕組み
トレンドフォロートレードはトレンドの押し目買いや戻り売りで利益をあげます。
しかし、押し目や戻りが入ったタイミングをピンポイントで100%当てることはできません。
そのため、何回か小さな損切をしながら、実際に押しや戻りが起こるタイミングを待ちます。
このときに、合計の損切額より押し目買いや戻り売りが成功したときの利益額が大きいと収益がプラスになるという利益の上げ方をします。
実際の例で解説をします。
例で使うトレードルールは、長期トレンドの押し目を短期トレンドライン割れでエントリーし、利食いは直近安値、損切はトレンドライン割れする前にできた高値とします。
以下の画像は、長期足の状況です。
長期は20MAの下で下落トレンドを形成しています。
このときの短期足が次の画像です。(青の縦線は同じ時間で引いています。)
ピンクのトレンドライン割れでエントリータイミング発生。
このときの損切は10pips、利益は40pipsなのでリスクリワードレシオがよいのでエントリーします。
ですが、トレンドライン割れ前の高値を抜けたので損切(-10pips)をします。
損切をしましたが、長期足の下落トレンドが終わったわけではありません。
黄色のトレンドラインを引き直して再度売りで仕掛けます。
黄色のトレンドラン割れでエントリータイミング発生、損切は10pips、利益は100pipsなのでリスクリワードレシオがよいのでエントリーします。
結果安値到達して100pipsの利食い。
先ほど10pipsの損切をしているので、100pips-10pips=90pipsの利益になります。
このように、小さな損切をしながら利益を出すのが、トレンドフォローの押し目買い、戻り売りのトレードです。
利益が出るタイミングを知り、損切しても入りなおす
このように、トレンドフォロートレードはリスクリワードレシオがいいタイミングで、複数回押し目買いや戻り売りをチャレンジして利益を上げます。
ですが、一回損切をしているので同じ方向にエントリーをするのが怖いと思います。
しかし、実践的なリスクリワードレシオの使い方を理解していると、むしろもう一度エントリーしないともったいないことがわかります。
その考えに至るコツが利益が出るタイミングを知ることです。
トレンドフォロートレードは、1回で押し目買いや戻り売りが成功したときに利益を出し、それ以外はトントンで済ませるトレードです。
例えば、リスクリワードが1のトレード、つまり、利益も損失も同じ額になるトレードの場合は。
1回損切になって、次に押し目買いや戻り売りが成功して利益が出たら、利益と損失が同じ額なので利益はトントンになります。
利益がトントンであればお金は減りません。
1回も損切をせずに押し目買いや戻り売りが成功すると利益になります。
このように普段はトントンにできるように耐えて、1回で押し目買いや戻り売りが成功するのを待ち、そのタイミングで利益を上げていきます。
ですが、1回の損切で同じ方向にエントリーをするのが怖くなってしまうと、トントンにすることはできずに損失を被ることになります。
なので、長期トレンド中に、短期で押し目買いや戻り売りをする際には、エントリーを恐れずにトントンにするトレードが必要になるのです。
もちろん、損切を2回して1回利食いできることや、1回の損切の後エントリータイミングが来なくてエントリーできない場合は損失になります。
ただし、長期トレンド中はその方向に価格が移動することが多いため総合してプラス収支にすることができます。
リスクリワードレシオを上げるとトントンにしやすくなる
リスクリワードレシオが大きいとよりトントンにしやすくなり、利益も上げやすいです。
例えば、リスクリワードレシオが2の場合は、損切2回利食い1回でトントン。
リスクリワードレシオが3の場合は、損切3回利食い1回でトントンです。
このように、リスクリワードレシオを上げると、損切が多くてもトントンにしやすいので、利益を上げやすいです。
損切が大きい場所のエントリーを見逃す
冒頭で話していた通り、損切が大きい場所、つまりリスクリワードレシオの低いところのエントリーは見送ることでリスクリワードレシオを実践的に導入することができます。
その理由は、これまで話してきた通り、トレンドフォロートレードは小さな損切をしながら、1回で押し目買いや戻り売りが成功するのタイミングで利益を上げていくトレードで、それ以外はトントンにすることがポイントだからです。
つまり、損切が大きくリスクリワードレシオの低いところでエントリーすると、収支をトントンにすることができないので、エントリーを見送る方がいいのです。
リスクリワードレシオが低いところというのは、例えば、利食い目標まで10pipsだが、損切幅が100pipsになる場合はエントリーを見送るなどです。
これは、鉄板のエントリーポイントだったとしてもエントリーを見送るのが賢明です。
利食うことができれば問題はありませんが、損切になった場合は損失が大きすぎるので、このトレード一つで全体の成績を大きく下げてしまいます。
この損失を取り返すためのは、10回勝たなければいけないのでかなり難しいです。
このように、トレードの中で損失が極端に大きくなる場合はエントリーを見送ると成績がよくなります。
しかも、リスクリワードレシオを見るだけで簡単に実践できるので、とても力強いツールになります。
リスクリワードレシオ実践の注意点はボラティリティ
リスクリワードレシオだけに着目していると、ボラティリティが大きい時に大きな損失を被る可能性があります。
例えば、損切10pips、利食い10pipsのトレードと損切100pips、利食い100pipsのトレードはどちらもリスクリワードレシオが1です。
損切幅が100pipsのボラティリティの時に損失を被ると、利食い幅10pipsのボラティリティの時に10回利益を上げないと回収できません。
リスクリワードレシオだけみると、ボラティリティを考慮できないので注意しましょう。
リスクリワードレシオに合わせて、損切を定額にするようにロットコントロールをすると非常に安定したトレードをすることができます。
ロットコントロールに関しては次の記事を参考にしてください。
結論:損切が大きくなる場所を見逃し、リスクリワードレシオを実践導入しよう
リスクリワードレシオを実践導入するには、損切が大きくなる場所のエントリーを見逃すのがよいです。
トレンドフォロートレードの利益の出し方は、普段トントンに抑えて1回で利確したときに利益が出るという仕組みです。
これを理解するとリスクリワードレシオの重要性がわかりますし、損切してもトレンドの方向に一貫してエントリーすることができるようになります。
リスクリワードレシオは、トレード手法を評価するための指標ですが、一回一回のトレードでも意識するとトレードのクオリティをグンと上げてくれます。
なので実践導入して使い慣れてみてください。
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